マグマ

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【日記 2023 03/21】最近見たものなど

主に最近見たものの感想です。ネタバレ注意。

『THE FIRST SLAM DUNK』(映画)

・めっちゃ面白かった。(原作未読)

・オープニングで湘北高校(主人公チーム)の5人が並んで歩く。この時点で既に胸の高鳴りを感じ、「この人たちのことをまだよく知らないけれど、いろいろなバックボーンを持つバラバラの5人が、勝利というひとつの方向に向かって足並みをそろえているんだな」と引き込まれていた。

・私はバスケの試合自体ほとんど見たことがないので映画を見ながらなんとなくルールを把握していった。相手からの執拗なプレスやパスカットによって攻撃が阻まれるもどかしさがまずあって、だからこそシュートが決まった瞬間の快感がひときわだった。ボールが移動するほんのわずかな瞬間の中に敵と味方の判断が凝縮されていて、ピンチとチャンスがめまぐるしく切り替わっていき、見ていてずっと激アツだった。実際に体が熱くなって汗をかいていた。

・試合の流れと呼応するようにしてメンバーの過去が挿入され、ドラマがあった。「湘北vs山王」というひとつのゲームそれ自体が、選手たちがバスケットボールに捧げてきたそれまでの人生そのものなのだということがひしひしと感じられた。「あきらめたらそこで試合終了ですよ」とか、ネット上で超有名だからさすがに知っていて意味もわかっているつもりだったけれど、前後の流れを含めてきちんと咀嚼すると本当に良いセリフだなと思った。

・とりあえず、原作の漫画を読んでみたくなった。

年森瑛『N/A』

松井まどか、高校2年生。
うみちゃんと付き合って3か月。
体重計の目盛りはしばらく、40を超えていない。
――「かけがえのない他人」はまだ、見つからない。

優しさと気遣いの定型句に苛立ち、
肉体から言葉を絞り出そうともがく魂を描く、圧巻のデビュー作。

・パンケーキ屋のシーンで出てきた「ぐりとぐらはこんなことはしない」という比喩の面白さで一気に引き込まれた。物語を貫くテーマである”かけがえのない他人”なる関係性が、この比喩を起点として「ぐりとぐら」や「がまくんとかえるくん」へと託されていく流れがとても綺麗だった。

・あらすじにもある「優しさと気遣いの定型句」について。マイノリティに向けられがちな「優しさから出発してはいるものの、”正解”を求めた結果硬直してしまっている言葉」に焦点を当てる鋭さが少し怖いとすら思う。その一方で、物語の中盤までは友達から向けられた定型句にイラついていた語り手が後半のシーンでは自分が定型句を使う側に回り、(属性と向き合うのではなく)その人個人としてと向き合うことのある種のめんどくささに直面するという構成のバランス感覚がとても好みだった。

・ラスト2ページのくだりは、緊張と緩和からくる笑いがこみ上げてきた。

隠れた不調のサインについて

「自覚はないけどメンタルがなんだかおかしいようだ」という状態に陥るときがある。落ち込んだり不安になったりといった自覚できるタイプの不調はなくて、意識できるレベルではいたって普通の気分で過ごしているつもりなのに、なにかがおかしいのだ。こういうのはエラーが出ないバグのようなもので、放置されるうちにシステムの正常な動作からのズレを拡大させる危険性がある。

だからこういうときは「兆候」に気づく必要があって、私の場合はたとえば

のようになることがわかってきた。そして、気づいたからといって有効な対策が打てるわけでもないこともわかってきた。