マグマ

よんでくれてありがとう

【日記 2023 08/14】まだ説明を受けていないもの/最近見たもの『君たちはどう生きるか』『ぼくらのウォーゲーム』

サイゼリヤのメニューから「ブロッコリーのくたくた」が消えた。これは日記に書くべきことだと思う。

以下、ネタバレを含みます。

まだ説明を受けていないもの

まだ説明を受けていないものをまとめた。

新たに見つけ次第追記します。

君たちはどう生きるか

公開初週ごろに見た。近所の映画館に見に行ったのだが、けっこうお客さんが入っていた。
ジブリの内部事情を面白がる、というのを通ってきていないので、映画に登場した要素や構造を現実と対応させて読み解く流れにはあまり乗れていない。
逆に、こういう感想(LWのサイゼリヤ)は興味深く読めた。

アニメーションの気持ちよさを存分に感じることができた。なんだかんだ一番印象的だったのは船の帆を張るシーンで、風を受けばらばらと音を立てて張り詰める帆・帆の力をギシギシと伝達する綱・綱を握って重心をぐっと後方に深く預け船の制御を試みる人間、という一連の力学がほんのわずかな時間のあいだにものすごく綺麗に描写されて、その圧倒的なリアリティ(というか納得性)に心が動かされた。あと、後半に突然出てくるインコ大王による質量を伴った力強い身のこなしがいちいちカッコよくて、そこもとてもよかった。
音もよかった。繰り返しになるが船のシーンでは音と動きが一体となっていて、それがリアリティにつながっていたと思う。あと、インコの家に入ったときのただインコたちの鼻息だけが聞こえる時間はなんとも不気味で、意外と見たことのない演出だなと思った。

デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム

20年以上前の映画。7月の1週間限定で復刻上映があることを友達が教えてくれた。その素晴らしい評判は以前から知っていたので、この機会を逃すわけにはいくまいと思って見に行った。
席につくと隣が親子連れだった。小学校低学年くらいの子供二人とそのお母さんという組み合わせで、上映前しきりに「映画始まったら喋っちゃだめだよ」「はーい」「いい?」「はーい」というやりとりをやっていて、多少の音は覚悟しなければいけないかもなと思った。
当時のフィルムを用いた上映だったので、広告が一切流れずにすぐに本編が流れ始めた。
冒頭数分間で状況説明がテンポよく進む。おそらく主人公の、アツそうな小学生の「タイチ」(私はデジモンを通ってきていない。まったくの初見だ)。コンピュータにかなり詳しく大人びた「コウシロウ」。彼らとその友人たちはかつてデジモンとともに大冒険を繰り広げたようだ。タイチは「ソラ」と喧嘩をしている。予想だけど、タイチとソラはたぶんいい感じになる。
春休みのある日、インターネット上のバグが凝集してデジモンのタマゴになる。世界の危機を感じ取ったタイチとコウシロウはタイチの家に集まる。タイチはデジモン仲間?に片っ端から電話で助けを求めるが、中学受験や海外旅行などの事情があってみんな繋がらない。大人はそもそも見向きもしない。世界中に遍在するコウシロウのネット友達(これも子供たちだ)がタマゴの分析を進める。これは子供たちの戦いなのだ。「インターネットの世界は、子供たちが〈子供扱い〉という制約に縛られずに自由に行動できるフィールドである」という視点がデジモン世界の基礎なのかもしれない。
不気味なタマゴが孵ると同時に、一番心が躍るタイミングで名曲「butterfly」がズギャーンと流れ始める。素晴らしい演出に鳥肌を立てていると、隣に座っていた親子連れのお母さんが泣き始めたので、たいそうびっくりした。考えてみれば、デジモン世代なのは間違いなくお母さんのほうなのだ。結局、お母さんは目元を抑えてずっとすすり泣いていた。子供たちは終始めちゃくちゃおりこうにしていた。

 

とても面白かった。とにかくテンポが良い映画だなと感じた。あとは、ダイヤルアップ接続や当時のWindowsのジラジラしたUIなどのディティールが全体の雰囲気をとてもよいものにしていた。たぶんもう映画館で見る機会はないけど、また映画館で見たい。